<aside> 💡 2018年9月、世界規模の低栄養診断基準である、Global Leadership Initiative on Malnutrition(GLIM基準)が発表されました。 **低栄養の診断は、スクリーニングとアセスメント/診断(重症度判定)の2段階で行います。**リスクスクリーニングの“検証されたツールの使用”とは、SGAやMUSTなど、各国で従来使用されているツールの使用を推奨しています。

アセスメントは「現症」の3 項目と、「病因」の2項目を用いて行い、**「現症」「病因」のそれぞれ1項目以上該当するものを低栄養と診断します。**重症度判定は、「現症」の3項目でステージ1「中等症」とステージ2「重症」の2段階に判定します。

GLIM基準では、「炎症」の関連に従って、以下の4つの病因に分類します。 ①慢性疾患で炎症を伴う低栄養 ②急性疾患あるいは外傷による高度の炎症を伴う低栄養 ③炎症はわずか、あるいは認めない慢性疾患による低栄養 ④炎症はなく飢餓による低栄養(社会経済的や環境的要因による食糧不足に起因) これによると、慢性心不全やCKD、COPD、がんは①に分類されます。

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低栄養診断のアルゴリズム.PNG

アセスメント「現症」「病因 」

glim 現症.PNG

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重症度診断

glim stage.PNG

低栄養と炎症に関連する病因別4分類

慢性疾患で炎症を伴う低栄養

悪性腫瘍、COPD、うっ血性心不全、CKD

急性疾患あるいは外傷による高度の炎症を伴う低栄養

感染症、熱傷、外傷、手術後

炎症はわずかあるいは認めない慢性疾患による低栄養

生活習慣病(動脈硬化、DM、脂肪肝)、歯周病

炎症はなく飢餓による低栄養(社会経済的や環境的要因による食糧不足に起因)

貧困、独居高齢者、摂食障害、うつ、多剤服用