高齢心不全患者に対する1日6g以下の画一的塩分制限指導の見直し

わが国のガイドラインでは心不全患者の塩分摂取量を1日6 g未満としていますが、症候性の心不全患者における塩分制限が生命予後やQOLを改善するというエビデンスは不足しています。近年発表されたHFrEF(左室駆出率の低下した心不全)患者を対象とした3件のRCTとHFpEF(左室駆出率の保たれた心不全)患者を含む観察研究では、いずれも塩分制限群で予後不良という結果でありました。また、高齢者では塩分制限により食欲が低下し、栄養状態が悪化する恐れがあります。そのため、個々の症例で塩分制限による効果が低栄養のリスクを上回るかどうかを検討し、食事摂取状況によって厳格な塩分制限は適宜見直すことが望まれています。 ー「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン 2021年」より引用。

心不全治療の参考資料

急性心不全の初期対応から急性期病態に応じた治療の基本方針(急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版)

急性心不全の初期対応から急性期病態に応じた治療の基本方針(急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版)

検査施行時のLVEFによる心不全の分類(急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版より引用)

検査施行時のLVEFによる心不全の分類(急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年改訂版より引用)

心不全治療アルゴリズム(2021年JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版急性・慢性心不全診療)

心不全治療アルゴリズム(2021年JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版急性・慢性心不全診療)